『零~刺青の聲~』

射影機と呼ばれるカメラで撮影することにより霊たちを鎮めていく和風ホラーゲームのシリーズ第三作。お気に入りシリーズです。

前二作同様突然の霊の登場による衝撃系の恐怖の他、背筋が凍るようなひんやり系や、いつ出てくるかわからない霊におびえる圧迫系の恐怖がバランス良く楽しめます。

前二作との大きな違いは二点。悪夢の世界と現実世界とを行き来しつつ物語が進展することと3人のキャラクターを交互に操作することです。

前者は、物語の進行とともに悪夢の世界に浸食され行く現実世界が、逃げ場がなくなっていくという新たな恐怖感をうまく演出してくれます。後者は、能力の異なるキャラクターを操作させることでゲーム性に広がりを与えています。ただし、武器となるフィルムの配分等を考慮する必要が生じることから、若干面倒になる点やストーリー進行が途切れ途切れになる点がデメリットでしょう。これらの変化をどう評価するかはプレイヤーの感性による部分かと思います。私自身はどちらかと言えば、少し面倒に感じました。

ストーリーとしては、過去の辛い出来事に苛まれる主人公たちの葛藤を軸に物語が進んでいきます。普段は恐怖の対象でしかない怨霊たちも、ふとしたときにとても哀れに思える、そんな不思議な感覚を与えてくれます。これも零シリーズの特徴でしょう。

本作は、一作目(無印)と二作目(紅い蝶)、それぞれの続編に当たりますので、前二作のネタばれが嫌な方は、前二作を先にすべきでしょう。ただし、ゲームとしての難易度は、一作目が一番高いように思いますので、アクションゲームが得意でない方は、紅い蝶→無印→刺青の聲の順番が妥当かと。

本作品のテーマ曲も前作同様、天野月子さんが歌う「聲」で、ゲームの内容とよく調和しています。

本作もホラーゲームとしては非常によくできた作品だと思います。